手話とマスクの関係について考えさせられた話


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ちよっと腑に落ちなくて疑問に思った光景に出くわした話です。

 

つい先日、夕方の帰宅ラッシュ時に電車に乗りました。時間も時間なので結構込み合っていて、私も座ることが出来ずに立って乗っていました。

ふと前を見ると、50代半ばくらいの女性と、同じ年くらいの男性が身ぶり手振りの手話でやり取りをしていました。その時は『手話だなぁ。』くらいにしか思わなかったのですが、何か違和感を感じたのでよくよく見ると、連れの男性を挟んでこちらを向いている女性の口が丸見えなのです。『あれ?』と思ってもう一度よく見ると、その女性はマスクをあごにかけたままで口と鼻を覆わない状態でいました。まぁ、ごく稀とはいえマスクしていない人をいまだに見かけることもありますし、その方もしていないわけではないので、『まぁ、こんなこともあるか。』と思って別の方向を見ていました。

でも何かまだ違和感を感じるなと思いながらまた見てしまい、ようやくその正体に気づきました。

 

ムチャクチャ口を開けながらしゃべっていたのです。

 

手話でやり取りをしていて声は出していないので、『しゃべる』という表現が適切なのかわかりませんが、とにかく口を大きく開けてやり取りしていました。そして相手の男性もよく見ると、女性と同じくあごにマスクをかけて口も鼻も覆わずに身ぶり手振りの手話をしながら口を動かしています。

電車内では、『なるべく会話を控えて下さい。』というアナウンスが常に流れているのにお構いなしの感じです。

ここで疑問に思ったのですが、そもそも手話なのに口を動かす必要ってあるのでしょうか?確かに手話を使う人が身ぶり手振りに加えて大きく口を開けているのはNHKの番組か何かでも見たことがあります。

手話だけでは充分に言いたいことが伝えられず、口の動きで言いたいことを読み取るあの読心術というやつで補っているのでしょうか?

このあたりの知識が無いのでテキトーなことは言えませんが、まず疑問に感じました。

そしてもう一つ疑問に感じたのは、まわりの人たちが誰も当たり前のようにしていて迷惑そうに感じているっぽい人がいなかったことです。確かに声は出ていないので気がついていないだけかもしれませんが、皆が普通にしているのが私には不思議に思えました。

こんな言い方をすると上から目線に思われるかも知れないですが、お年寄りや体にハンデがある方には優しく接しなければならないと思っていますし、そういう社会になればよいなと思っています。特に何か行動とかしているわけではないですけど。

そして、電車内の手話の人たちも耳が聞こえないというハンデを背負っている人たちだと思いますので基本的に悪く言うつもりはないのですが、普通にしゃべっているよりもよっぽど飛沫を飛ばしていそうなあの二人に悶々とした感情を抱いてしまいました。

マナーとかモラルってハンデを持っている人の方が高いようなイメージを勝手に持っていましたが、よく考えればそんなの関係ない話なのだと思いました。そう思っていたこと自体が差別なんじゃないかとわけのわからない思考に陥った話でした。