入院するなら月初め。高額療養費制度で自己負担額がタイミングによって全然違ってくる話


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日本の医療制度って素晴らしい。何年か前に大ケガをして約3ヶ月間入院した経験から本当に心からそう思います。

 

事故で担ぎ込まれて緊急手術を受けた後に聞いた話(手術中は全身麻酔によって全くの記憶がありません)ですが、その時に出来る治療のベストを尽くしてもらったと今でも思っています。

 

で、手術の後に待っていたのが長い入院生活でした。

 

日本の病院って役割が別れていて、ケガをした時に担ぎ込まれたり、安静な状態を保たないといけない時に入院する『救急病院』や『急性期病院』と呼ばれるものと、回復期に入院する『リハビリ病院』などがあります。

ちゃんと調べると細かいところは違うかもしれませんが、大まかにいってそんな感じで間違いありません。

 

ということで、私も自分の都合(担ぎ込まれた病院が家から遠すぎた)と日本の病院の役割分担の制度によって3ヶ月の間に2回の転院を行い、3つの病院を渡り歩きました。

 

3つの病院を渡り歩いて治療費を支払ってきた中で、これ迄全く知らないことも多くありましたので、ここらへんについて実体験をふまえて書いてみたいと思います。

 

1. 高額療養費制度

詳しくはググってもらえれば制度の説明はいくらでも出てくるのでそちらを見てもらうとしまして、『一つの医療機関で1ヶ月あたりに支払う医療費の自己負担には上限がある』ということです。

年齢などによって上限金額が細かく異なるようですが、概ね8万円前後の自己負担を越える分は支払いが免除されます。

ケガなどで担ぎ込まれて受ける治療は、健康保険が適用される範囲内の治療であれば8万円しか払わなくてよいということになります。

私の場合、救急病院での治療費と数日間の入院費の総額が200万円くらいになっていたのを後から明細で知ったのですが、前述の通り自己負担は概ね8万円ですみました。本当に日本の健康保険って素晴らしいなと実感しました。

 

2.病院が変わればリセットされる

先程、『一つの医療機関で1ヶ月あたりに支払う医療費には上限がある』と書きましたが、転院した場合や月が変わった場合はリセットされます。

ですので、たとえ同じ月内だとしても2つの病院でかかった治療費は別々の上限で計算されることになりますので最大で約16万円の自己負担となります。1ヶ月の間に2回も大ケガするなんてそうそうないとは思いますけども。

 

3.タイミングで変わる自己負担

ここまで書くと大体の想像はつくかもしれませんが、同じ病院で同じ期間の入院をするのであれば、なるべく月の初めから入院して月内に納めた方が特です。

例えば1日1万円の入院費用と仮定して、4月1日から4月24日迄の24日間の入院をした場合は自己負担が8万円で済みますが、4月19日から5月12日の2ヶ月にまたいで12日ずつ入院した場合、自己負担は倍の16万円になってしまいます。

そして転院する場合も同じです。

なるべく月末か月初に片寄らせた方が自己負担は少なくてすむわけです。

私の場合は、最初の救急病院は月末近くから月内の数日間だったので良かったのですが、2番目の急性期病院から3番目のリハビリ病院に転院するときは月の半ばでしたのでちょっと損した感じでした。

その頃はお金の勘定とかしてる余裕は全く無かったですけど。

救急で担ぎ込まれるのにタイミングも何もないとは思いますけども、自分である程度融通がきく入院であれば考慮すべきかと思います。

 

4.余談

これは私も入院するまで知らなかった話なのですが、病院って入院出来る最大日数には限度があります。色々と条件によって上下があるかもしれませんが、ケガの場合は3カ月、脳梗塞などの場合は最長で半年とかだったと思います。

一旦退院して再入院とかだとどうなるのかわかりませんが、とにかくずっと入院はさせてもらえないのです。

確かにどんな大ケガでも3カ月もあればある程度自宅で療養可能となりますし、国の医療費を抑えるためにも限度は必要と思いますので納得出来る話です。コロナで医療機関がひっ迫しているというニュースをよく耳にしますが、そんなに感染者が爆発的に増えているわけではない(と私は思っています)のにすぐにそんなことになるのも、入院日数を制限している為に病床数も増えないんだなと何となく理解できます。

でも困るのは高齢者とその家族です。脳梗塞で入院している方が何人かいらっしゃいましたが、病院を出ないといけない時期になると、介護系の施設を探さなければならず大変そうでした。ご家族も付きっきりでの自宅介護は難しいようで、本音は「いられる限りずっと病院に入院させておきたい」に違いありません。私が入院している間だけでもそんな方々を3人ほど見送りました。

 

最後にお金の話に戻しますと、私の場合は高額療養費制度のおかげで3カ月間の医療費は大体40万円くらいだったと思います。詳しくは私も理解していないのですが、入院中に病院で出される食事の扱いが治療行為とみなせるかどうかで補助費の扱いが違ってきていたとかでいくらか加算されていたようです。すいません。そこは記憶も曖昧であんまりちゃんと調べていないので詳しく知りたい方はググって頂ければと思います。

で、私は医療保険に入っていましたのでお金を払った以上に還ってきたので大変ありがたく感じたのですが、よくよく考えてみると当然元々は自分の掛け金です。それ迄に払い込んでいた掛け金と支払われた保険金をその時点で比べたところ、まだ掛け金の方が多かったです。ケガの最長入院期間である3ヶ月をほぼフルに入院したにも関わらず元は取れていなかったということです。まぁその時点で10年以上も払っているので仕方ないかなとも思いましたが、『貯金した方が良くない?』と思ったりもしました。でもこの先何があるかわかりませんのでとりあえず御守り代わりに保険は維持しています。

 

退屈で堪らなかった入院生活ですが、今思えばなかなか出来ない体験も出来たのかなと前向きに考えている今日この頃です。