ブラック企業は楽しい!


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私は新卒で入社した会社に約13年間在籍しました。今は転職して別の会社にいるのですが、180度違う社風に転職当初は戸惑いました。

思えば、前にいた会社は今で言う「ブラック企業」だったと思います。

生産性を度外視した長時間労働、当然のごとく存在しない残業代、深夜迄のミーティング、有給休暇の取りにくい全体の雰囲気、ノルマ至上主義、有無を言わせない先輩や上司の指示などなど、例をあげればキリがありません。

でも、今より楽しく仕事をしていたように思います。いや、仕事が楽しいのではなくて会社が楽しかったんだと思います。

前にいた会社はブラック企業の特色の一つである定着率の悪さがありましたが、その結果、何も知らない世間知らずな若者(私も当然その内の一人です)を大量に採用しなければなりませんでした。すぐに辞める社員が多いからです。この採用サイクルにより、常に若い世代の社員が多い職場になります。

そして若くて近い世代で夜遅くまで仕事をしている者同士の一体感が生まれ、社員同士とても仲良くなるのです。大学のサークルのような雰囲気でワイワイやっていて長時間労働も全く苦になりませんでした。そもそもホワイトな職場を知らない若者にとっては今いる環境しか知らないので、それが当たり前になってしまっていました。

 

そして社員の入れ替わりが激しい中で、度々登場する「ちょっと変わったヤツ」が頻繁に起こす事件やトラブルの数々は、『変化』として毎日の日常にスパイスを与えるものでした。

嘘ばっかりつくヤツ、契約書を上司の目の前で食べてしまうヤツ(ホントにいました)、胸ぐらを掴みあってケンカを始める先輩と上司、売上が足らずに自腹を切って借金するヤツ、社用車で酒気帯び運転して人身事故をおこす上司、昼間からマージャンに誘ってくる先輩、会社辞めてからも詐欺まがいに金を借りにくる先輩などなど、、、そして奢ってもくれないのに先輩に夜中まで飲みに連れ回されて終電が無くなったりしたのは一度や二度ではありません。でもなぜかその先輩のことは嫌いにはなれず、むしろ人間として好きでした。最後は金銭的な不正で退職してしまいましたけど、、

 

待遇などは決して良いとは言えませんでしたが働く人々は人間味に溢れ、楽しかったなぁと今では思います。自分自身が若かったこともあると思いますけど。

 

それでもやはり年齢を重ねて家族も持つようになると将来的に不安定な職場で仕事を続けていくことは難しいと感じるようになり、転職を決断しました。

でもいい経験が出来たと思いますし、今の会社の良さも他の人より感じることが出来るのだと思います。